子どもは一口30回噛むべき?「噛ミング30」と噛む力の育て方|加古郡播磨町土山駅徒歩1分の歯医者「ニコ歯科クリニック」

新着情報

子どもは一口30回噛むべき?「噛ミング30」と噛む力の育て方

「うちの子は食べるのが早い」「あまり噛まずに飲み込んでいる気がする」

お子さんの食事中に、このようなことが気になった経験はありませんか?

昔から「よく噛んで食べましょう」と言われますが、実際には何回くらい噛めばよいのでしょうか。

今回は、厚生労働省が提唱した「噛ミング30(カミングサンマル)」という取り組みと、子どもの噛む力を育てるために大切なことについて、歯科医師の立場からお話しします。

「噛ミング30」とは?よく噛むことの大切さ

「噛ミング30」とは、一口あたり30回以上噛むことを目標とした、食育のキャッチフレーズです。

2009年に厚生労働省の検討会で提唱されました。

よく噛んで食べることには、さまざまなメリットがあります。

① 唾液の分泌を促す

噛むことで唾液の分泌が促され、食べ物を飲み込みやすくなります。

また、唾液にはお口の中の汚れを洗い流したり、酸を中和したりする働きがあり、むし歯予防にも重要な役割を果たしています。

② 食べ物の味を感じやすくなる

食べ物をよく噛むことで、唾液と混ざり合い、味を感じやすくなります。

食材本来の味や食感を楽しむことは、食への関心を育てることにもつながります。

③ 食べ過ぎの予防につながる

早食いは、食べ過ぎや肥満との関連が指摘されています。

ゆっくりよく噛んで食べることは、食べ過ぎを防ぐための習慣の一つとしても大切です。

ただし、30回という数字は、すべての子どもや食べ物に当てはまる絶対的な基準ではありません。

食べ物の硬さや大きさ、お子さんの年齢やお口の発達段階によって、必要な噛む回数は異なります。

当院が大切にしている「噛む力」を育てる食習慣

子どもの噛む力を育てるためには、毎日の食事が大切です。

ご家庭では、次の3つを意識してみてください。

① 一口の量を適切にする

口いっぱいに食べ物を詰め込むと、舌を動かしたり、食べ物を奥歯に運んだりすることが難しくなります。

お子さんが無理なく噛める一口量を心がけましょう。

② 食べ物の硬さを成長に合わせる

柔らかいものばかりに偏らず、歯の生え方や噛む力に合わせて、さまざまな食感の食品を取り入れることが大切です。

ただし、硬いものを無理に食べさせる必要はありません。特に小さなお子さんでは、窒息につながる食品の形や硬さにも注意が必要です。

③ 食事中の姿勢や環境を整える

椅子の高さを調整し、足が床や足置き台につくなど、身体が安定する姿勢を心がけましょう。

また、テレビやスマートフォンに気を取られず、落ち着いて食事ができる環境も大切です。

院長からのひとこと|噛めない理由を考えることも大切です

日々の診療でも、保護者の方から「うちの子、何度『よく噛んで』と言っても、すぐに飲み込んでしまって……」というご相談をいただくことがあります。

しかし、お子さんのお口の中や食べ方を詳しく確認すると、単に急いで食べているのではなく、「うまく噛めない理由」が隠れている場合もあります。

例えば、次のようなケースです。

  • 乳歯の生え変わりやむし歯の影響で、噛みにくさや痛みを感じている。
  • 唇を閉じる力や舌の動きが十分に発達しておらず、食べ物を奥歯に運んだり、口の中でまとめたりすることが苦手。
  • 食事中の姿勢が安定せず、落ち着いて噛むことが難しい。

こうしたお子さんに「30回噛みなさい!」と回数だけを求めても、根本的な解決にはつながりません。

かえって、食事そのものが負担になってしまう可能性もあります。

大切なのは、30回という数字を達成することではなく、食べ物をしっかり噛み、舌を使ってまとめ、無理なく飲み込めるようになることです。

歯科医院は、むし歯や歯並びだけでなく、舌の動き、唇の閉じ方、噛み合わせなど、お口の機能が年齢に応じて発達しているかを確認する場所でもあります。

近年、歯科では「口腔機能発達不全症」という考え方も重視されています。

これは、食べる、話す、呼吸するといったお口の機能が、年齢に応じて十分に発達していない状態を指します。

ただし、噛む回数が少ないからといって、必ずしも口腔機能発達不全症というわけではありません。

お子さん一人ひとりのお口の状態や発達段階を確認し、必要に応じた対応を考えることが大切です。

まとめ

よく噛む習慣は子どもの頃から

「噛ミング30」は、毎日の食事を通じて、噛むことの大切さを意識するための取り組みです。

もちろん、よく噛むことは大切ですが、30回という数字にこだわりすぎる必要はありません。

大切なのは、お子さんが無理なく、楽しく、しっかり噛んで食べられることです。

ニコ歯科クリニックでは、むし歯や歯並びだけでなく、お子さんのお口の機能や発達についてのご相談も大切にしています。

「食べるのが早い」「あまり噛まずに飲み込んでいる」「いつもお口がポカンと開いている」など、気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

お子さんの健やかなお口の成長を、一緒に見守っていきましょう。

【執筆者】

ニコ歯科クリニック 院長 淺原 周平 ​

  • 日本障害者歯科学会 認定医 ​
  • 播磨学校歯科医会 理事
  • ​加古川歯科保健協会 理事 ​
  • 播磨歯科医師会 センター診療委員会 委員
  • ​日本糖尿病協会 登録歯科医 ​
  • 日本小児歯科学会 会員
  • ​播磨町高齢者福祉計画及び介護保険事業計画策定委員会 副会長

※資格・所属・役職は記事公開時点(2026年11月)のものです

 

ページトップへ戻る